[勉強会 感想] 日本の死因究明制度の杜撰さ 大切な人の尊厳を守りたい
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- 2022年12月11日
- 読了時間: 4分
更新日:2023年3月17日
寄稿者;春一番さん(2022/11/12勉強会参加者様)より
「国民が知らない死因究明制度」勉強会に参加しました。一昨年、ファンだった俳優さんが亡くなり、自殺とされていますが色々と不審な点があることを知り、日本の死因究明制度に興味を持ったからです。
法医学者で解剖医の岩瀬博太郎先生のお話は分かりやすく、法医解剖(司法解剖)と病理解剖(行政解剖)の違いなどとても勉強になりました。
普通は死因は亡くなった時の病名(直接死因)だけを調べますが、更になぜそうなったのか(原死因)を調べるのが法医解剖(司法解剖)で直接死因だけを調べるのが病理解剖(行政解剖)ということでした。
なぜ心筋梗塞を起こしたのか。なぜくも膜下出血になったのか、その原因(原死因)を突き止めるのが法医解剖(司法解剖)であり、事故なのか、病死なのか、他殺なのか、それが重要なのです。
その法医学医(司法解剖医)が少なすぎるとも岩瀬先生は仰っていました。全国で150名、死因のわからない変死体は日本で年間10万体以上、だからと言って警察が検視(遺体検分)で解剖するかどうかを吟味してしまうのは大問題です。
遺体は最後の声を発している、解剖して本当の死因を調べないのは故人の尊厳を踏み躙る行為です。
先生が仰るには政府は司法解剖医を育てようとせず、日本の死因究明制度は重大な危機を迎えていると。どうしてなのか、なぜ司法解剖医を増やそうとしないのか私には疑念しかありません。

ジャーナリストの柳原三佳さんは、もう20年近く岩瀬先生と共に警察の死因究明制度改革(どんな変死体も解剖して死因を調べるべき)を社会に訴えているそうです。
柳原さんは事故や事件で警察の捜査に疑念を持つ遺族から相談されて、警察に取材に行ったりされていて、そのうちの2つの事件について話してくださいました。
1つは北海道で高校生が行方不明になり3日後にバイクと共に沿道で死亡しているのが見つかった事件。
遺族はバイク事故で即死と警察から言われたが、事故にしては不審な点が多いと柳原さんに相談し、柳原さんが警察に取材すると、発見時の写真では即死と言われたのにヘルメットを脱いでいたり、3日も経っていたのに遺体が損傷していなかったり不審な点が多く、遺族が色々調べるうちにいじめによる他殺だったのではという疑惑が上がったそうです。
遺族はその同級生を告訴しましたが嫌疑不十分で敗訴したそうです。
もう一つの事件はアメリカ人が福岡県のマンションで亡くなり、アメリカの遺族は警察から、死後1週間経っており死因は下痢や脱水による病死と言われたそうです。
日本に来た遺族は警察にちゃんと解剖したのか聞くと、争った形跡はなく事件性がないので解剖は必要ないと言われたと。
遺族は納得いかないと談判し、やっと解剖がされると頭に20cmに渡り頭蓋骨に亀裂が発見されたのです。
急遽事件性有りとなり司法解剖に切り替わりましたが、結局転んで頭を打った事故死であると断定。遺族や柳原さんが異議を唱えてもこれ以上捜査することはないと断言されてしまったそうです。
おそらく最初に病死と判断した為に、血のついたシーツなど証拠となるものを全て処分してしまっていたのではとのことでした。
なぜ警察は頭の亀裂に気づかなかったのか、血のついたシーツを汚物のしみと判断するような杜撰な捜査にショックを受けました。
2つの事件とも、最初にきちんと解剖していれば本当の死因がわかった可能性が高く、犯罪によるものなら犯人はほくそ笑みまた同じようなことをするかもしれないのです。
アメリカでは死亡事件では解剖するのが当たり前で、解剖することで犯罪が摘発されれば社会の安全を守ることに繋がるのにと言っていたそうです。日本は素晴らしい国なのに、死因究明については日本の恥ではと言っていたとのことでした。
私はそんなことは当たり前と思っていましたし、なぜ警察はきちんと解剖して死因を調べないのか、なぜ頭の傷に気が付かなかったのか、本当に疑問です。遺族は悶々とした思いを一生背負って行かなければならないでしょう。
自殺と判断された事件でも、遺書があって争った形跡がないというだけで自殺とされてしまうのが実態だそうで、岩瀬先生はこの杜撰な警察の検視(遺体検分)にずっと警鐘を鳴らし続けています。
亡くなった俳優さんも後から遺書はなかったとされ、薬物を飲まされていなかったか、死因はなんだったのか、解剖して真実を明らかにすることで彼の尊厳を守ってあげることができたのではと強く思いました。
このような警察の実態を知り、自分の大切な人がもし事件に巻き込まれた時にきちんと死因究明して尊厳を守れるように、私自身GRAYCROSSの活動にこれからも賛同して、解剖による死因究明が当たり前になるように訴えて行きたいです。
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